★ アスクレピオスとケイローン

 第三部ではあまり活躍できなかったルシファーでした
が、その鬱憤を晴らすように、このギリシャ編では本来
の主人公として存分に活躍してもらう予定です。ただ、
やはり何の理由もなく強くなるのはダメなので、きっちり
修行をしてもらう事になりました。
 まず、最初にルシファーに助言を与えるアスクレピオ
スですが、昨年、ギリシャに行った際、彼の聖地である
エピダウロス遺跡を訪れまして、そこで何となく縁を感じ、
作品に出してみようかなと。医者の神なので、論理的
に危険性を説いていくところが特徴です。
 一方、ケイローンについても当初は登場する予定は
なかったのですが、やはり旅行中にケイローンが住ん
でいたと言われるペリオン山のマクリニッツァ村という
所を訪れまして、そこで土産物のケンタウロスグッズを
見ていたら、何となく彼も出してみようかなと。彼の教え
はどちらかというと禅問答的なところが特徴でしょうか。
 というわけで、いずれも旅行に行かなければ作品に
登場させる予定のなかったキャラです。ルシファーの真
の師は当初から「あの人」にしようと決めていたので、
そこに至るまでの繋ぎのキャラではあるのですが、それ
なりに存在感も出せたので、今後もちょくちょく登場させ
ようと思ってます。

 
 

★ テミスの息子

 人類を創造したとされるプロメテウスですが、当初はよ
くあるイメージ通り、髭を蓄えた中高年の男性として描く
つもりでした。ところが、改めて調べたところ、実は彼、テ
ミスの息子だったんですね。テミスを登場させた時に、そ
の辺りの事を全く忘れてまして・・・・。
 テミスは今後も準レギュラーとして活躍させようと思っ
ていただけに、子持ちの母親キャラだと知ってかなり計
算が狂ったのですが、別にルシファーと恋愛関係にしよ
うとかは考えていなかったので、まあ、若く見えるしそん
なに気にしなくてもいいかなと。ただ、その息子があまり
にもオッサンだと違和感があるので、急遽、ビジュアル
を華奢な若者に変更した次第です。
 ちなみに、ギリシャ神話の人類の起源も諸説ありまし
て、プロメテウスによるもの以外では、ゼウスが造った
という説や、誰が造ったわけでもなく最初から存在して
いたなんていう説もありました。

★ 天を支えないアトラス

 さて、天を支える姿で有名なアトラスですが、これも当
初は「今も」天を支えている神として登場させる予定でし
た。そこで、この場面については挿し絵が必要だと思っ
ていろいろ考えていたのですが、そもそも「天を支える
って何?」と今更ながら疑問が生じまして。
 よく天球を担いでいるアトラスの絵や像を見る事があ
るのですが、それは地球が丸いとわかってからの話で
すし、そもそも丸いのだったら、仮に天体が落ちてきた
としても、地球の反対側の人たちは助かるでしょとか、
ツッコミ所が多くてなかなかイメージが浮かびません。
 そこで、逆に絵を描かずに済ませるにはどうすれば良
いかを考えたところ、ふと第一話でゼウスが「天界は唯
一神に占拠された」と言っていたのを思い出し、それだ
ったらアトラスももう支える必要はないよねという事で、
今回のお話のようになったわけです。
 さらに、テミスがギリシャを離れた理由もどこかで書か
なきゃいけないなと思っていたので、それをうまい具合
にここに繋げまして、いかにも作者は最初から考えてい
たんですよというシーンに仕上げたわけです。テミスを
泣かせる予定なんて、本当は全然なかったんですよ。