★ 首無し騎士?

 今回のタイトルは「首無し騎士」という事で、
アイルランドの有名な妖精デュラハンを登場さ
せたわけですが、実は、最初に描いたのは二人
目のデュラハンの方でした。こちらは、アイルラ
ンドで買ってきた妖精の本の挿絵を参考に描い
たものなんですが、描き終わってみて、「あれ?
これって騎士じゃなくない?」と。
 ゲームや漫画の影響なのか、何となくデュラ
ハンは騎士だと自分も思ってたんですが、改め
て調べてみたところ、デュラハンが騎士だとい
う情報はどこにもないんですよね。
 まあ、ヌァダという神様が妖精化している事
がポイントなので、騎士じゃなくてもいいっちゃ
いいのですが、ヌァダは戦士のイメージが強い
ので、騎士である方が望ましいっちゃ望ましい。
 また、上述の本には、「デュラハンの前身は
クロウ・クルーウァッハ」みたいな事も書いてあ
り、こちらの「ヌァダ=デュラハン」構想を見事
にぶち壊してくる。
 というわけで、以上の事を踏まえて、今回の
二人のデュラハンという設定になったわけです。

 
 

★ 都市部の背景

 神話編以降の背景は、基本的に旅行先で撮っ
てきた写真をトレースして描いてるんですが、今
回は街中が多くて結構苦労しました。
 遺跡は遺跡で、崩れた壁の線や点のどれを拾う
かで苦心するんですが、色数が少ない分、スキャ
ンして取り込んだ後は、それほど大変じゃないん
です。
 が、今回のように都市部の写真だと、線は明瞭
でも数が多く、また色数も豊富なので、完成まで
に結構時間がかかりました。その分、出来上がっ
た時の達成感も一入(ひとしお)で、すぐにキャラ
クターの絵で隠れてしまうのがもったいないなと
思ったほどです。
 特に、あの図書館の絵は本当に大変でした。
今までで一番時間がかかった背景じゃないです
かね。ただ、これに関しては残念な点もあります。
 まず、自分が撮ってきた写真は、ややピンボケ
した状態で、トレースできちんとした線が拾えな
かったので、やむなくネット上のフリーの写真を
使わせてもらった事。
 それと、左半分をトレースし終わったところで
力尽きて、右半分は反転コピーして作った事。
もちろん、本来は左右対称じゃないんですが、
本を一冊一冊、色塗りする事を考えたら、さす
がに気が遠くなったもので。

★ シェリーとヒルド

 さて、ルシファーの旅の供となる、二人の新キ
ャラについて紹介しましょう。
 まずは、妖精のシェリー。前身が光の神ルーで
ある事は決まってたんですが、妖精の姿は何に
しようかと上述の本で調べていたところ、ちょうど
光を発するシェリーという妖精がいたので、それ
に決定しました。ただ、見た目は人間の子供とい
う設定も決まってたので、本作品では初めての
変身キャラになりました。
 続いて、ヴァルキリーのヒルド。アイルランド編
で何故ヴァルキリーが出てくるかというと、この
アイルランド編と、続く北欧編は、バックグラウン
ドでつながっていて、もともと一つのシリーズで
書く予定だったからです。
 ただ、名前についてはいろいろ悩みました。
ヴァルキリーの個別名はいろいろあるんですが、
当初は他であまり使われてないものにしようと考
えてました。が、ネットで検索すると、何だかんだ
でどのヴァルキリー名も使われてる事がわかり、
だったら、もうそこはこだわらずにキャラのイメー
ジで決めるかという事で、ヒルドに決まりました。
そもそも、この作品に出てくる天使や神様はみん
な使い古されてるんだから、今更ですよね。

 
 

★ ミカエルの涙

 最後に、ミカエルが涙を流したというエピソード
について。ネットで購入した英語の天使の辞典
の「Michael(ミカエル)」の項に、こんな文が書か
れていました。

 「彼は、堕天使たちに大洪水について知らせた
  と言われている」
 「彼が涙を流した時、その涙は宝石に変わった」

この2文が繋がっているのか別なのかもはっきり
しないんですが、繋がってると仮定した上で、じ
ゃあミカエルはどうして泣いたんだろうと。
 この場合の堕天使は、大洪水の話が出ている
のでおそらくエグリゴリだと思われるのですが、
彼らに会って涙を流したのだとしたら、それはど
ういう心情によるものなのだろうか。ミカエルなら
「怒りの涙」もあり得そうですが、普通に考えると
やはり「悲しみの涙」だと思うし、そうなると彼は
何が悲しかったのか。
 結果として今回のような解釈になりましたが、
それがルシファーを許せなかった理由の一つに
もなったのは、作者的にも意外でした。