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★ 「力」から「知」の勝負へ
実は、当初は選挙妨害と言っても、選挙に行くのを邪魔
するぐらいしか考えておらず、こんなゲーム的な駆け引き
にするつもりはありませんでした。ヤム側に付くのもアッタ
ルではなく、「レシェフ」という疫病の神を登場させる予定
でしたし、アッタルはむしろ第三勢力として、選挙をさらに
かき乱す存在になるはずでした。
しかし、そのレシェフという神がマイナーすぎて資料が
少なかったのと、疫病の神という事で、ソロモン編の疫病
の話と被る危険性があったのと、一話限りの存在なので
作者のモチベーションが上がらなかったという三点から、
この神はボツにして、アッタルをヤム側に付かせようとい
う話になったのです。
その結果、ヤムが当初の「武闘派」という設定から「知
性派」に変わり、終盤に向けて二転三転する今回のよう
な話になったわけですが、作者も決してこういうゲーム
的な話が得意なわけではないため、何となくどこかで見
たような展開になってはしないかと、密かに心配してお
ります。
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★ カナーンとは(1)
これまで何度も出てきた「カナーン」という単語ですが、
作者的にも使い方があやふやになってきた気がするので、
ここらでもう一度、この物語における「カナーン」について
説明しておきたいと思います。
まず、カナーンとは国名ではなく地域名です。バビロニア
やエジプトは国として存在していたものですが、カナーンと
いう国はありません。
地理的には今のイスラエルとかパレスチナとか言われて
いる辺りで、昔はここに一神教を奉ずるユダヤ人と、バアル
などの多神教を信じる別の民族が重なるように住んでいた
ため、聖書の中ではそれらの神々や民族がさんざん悪者
扱いされるわけなんです。
というわけで、「カナーンの神々」というのは、基本的には
この辺りで信仰されていた神々になるわけですが、実際に
作者が足を運んだシリアにもバアル神殿なるものがあるの
で、その辺りまで信仰は広がっていたものと思われます。
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★ カナーンとは(2)
さて、この物語では当初「カナーン」を地域名として使
っていたのですが、神々が復活した現在、その地域に
はイスラエルが建国されており、ある意味、唯一神の
本拠地みたいになってしまっているため、さすがにカナ
ーンの神々もそこに復活するのは厳しいかなという事
で、復活の場がシリアのバアル神殿となったわけです。
そのため、地域的に「カナーンに侵攻する」と言うと、
今のイスラエルの辺りに侵攻する事になってしまうの
で、今後は第二話でマルドゥークが言っていたように、
「カナーン」=「バアルをトップに頂く勢力」という解釈
で読み進めて頂けると、しっくり来るかと思います。
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★ キャラは絵で決まる?
今回のヤムもそうなんですが、レギュラー以外のキャラ
については、物語を書き始めるまでほとんど性格付けを
していません。起こす行動や出来事についてはもちろん
考えてあるのですが、話し方やリアクション等は、全く決
めていなかったりします。
これは作者も最近気付いた事なんですが、どうも描い
たキャラの絵に影響されて、その性格や口調が決まって
いく事があるようです。
例えば、ヤムについて言えば、三白眼で相手を指差し、
杖を着いている(これは過去にアナトにボコられた後遺症
という設定だったんですが)、この姿から何となく「策士」
的なキャラに変化していった気がします。
オシリスも確かそんな感じでした。眠そうな丸目にひと
癖ありそうな頬のしわ、そこから受けた印象から、ああい
うユルい感じのキャラが生まれてしまったという。
そう考えると、キャラの絵を考えるというのは、実は作者
にとってはすごく重要な事なのかも知れません。一時は
「普通の小説にしてしまおうか」と思った事もありましたが、
これからも可能な限り、絵の方も頑張りたいと思います。
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